阿部共実さんの漫画作品「潮が舞い子が舞い」の聖地巡礼をしてきました。
潮が舞い子が舞いという作品が妙に好きすぎて、会社内の好きなマンガについて語り合うサークルでもプレゼンをしたことがあります。また、登場人物の関係性を表す相関図を作図ツールを使って描いたこともあります。
何が好きなのか自分自身深く考察をしておらず、言語化ができていません。とにかくキャラクター一人一人がとても愛くるしく、微笑ましいのです。話の内容としては微笑ましくなく、青春というか学生時代にそういう想いをしたこともあるだろう、という切ないようなものもあったり、阿部さん節炸裂みたいなものもあり。
そんな潮が舞い子が舞いの舞台(ややこしいですね)について、Web上のマンガクロスというサイトでは「海辺の田舎町」と表記されていますが、兵庫県神戸市垂水区にある舞子(まいこ)がモデルとされています。タイトル的にもそのまんまでしたね。
私は全くそれに気づいておらず、ネット上で聖地巡礼をしている人を見かけて舞子であることを知りました。舞子といえば淡路島に続く明石海峡大橋が有名で作中にもかなりの頻度で映り込んでいるのですが…地理に疎い&作品に対する解像度が低いので「島に続く橋があるんだなぁ」くらいにしか思っていませんでした。
他の聖地巡礼している方の記録を見ると神戸駅近くも作中に登場しているということで神戸〜舞子間を散策する想定で一泊二日で行ってきました。
作品の良さや登場人物などについてはググって他のサイトで情報を得てください。
解説するとそれだけで記事がもう一本書けてしまうくらいのボリュームになります。確実に。
本記事には画像が大量に含まれていますのでWifiなどでの閲覧を推奨します。
紹介する順番は、なんとなく舞子駅を中心として後になるほど離れていくようなイメージで紹介します。厳密なものではありませんので目安程度にお考えください。
駅や駅前 - 舞子駅近辺
駅前はしょっちゅう出てきますね。本当に駅前で徒歩1分もかからない場所に密集していました。
田畑莨店についてはバス乗り場の方から撮影しないと画角的に入り切らず、バス乗り場でもなんでもないところでカメラを構えている不審者状態でした。
橋のふもと - 明石海峡大橋近辺
橋の近辺も頻出地域です。
マンガのこのコマはかなり上の方から撮られた角度になっているのでTio舞子という駅ビルの上の方から見た景色なのではないかなと思われます。
1階の目線だと写真のような感じでした。
ウキウキで異性について語る風越たちが歩いているのは駅から明石海峡大橋の方に伸びるペデストリアンデッキの上でした。
手前に写ってるのは撮影している土上のスマホなのですが、自分は柵か何かだと勘違いしており、しばらくこの景色がどこなのか分かっていませんでした。
みんながドン引きしているシーンはそこを右から左(西側から東側)に向いたカットです。 特徴的な柵になっていることも分かりやすい特徴です。(ですが気づくのに時間がかかりました。)
そして先生に見つかって驚いてるとき、今度はデッキから駅側のカットになります。
夕方になると駅ビルのガラス面に反射している西日が眩しいところです。
駆けていくシーンはこんな感じで橋の下からの絵です。これは割と分かりやすくて助かりました。
自撮りをしようとしていたのはおそらくここかな?
作中では上に板状のオブジェが並んでいるのですがそれらしきものは見つけられませんでした。
しかし海沿い、海沿いの柵がある、おそらく橋の下、特徴的な段差が隣りにある、というところからこの壁がモデルになっていると推測しました。
隣の段差というのがこちらです。
砂浜 - アジュール舞子
砂浜も頻出ですね。小笠原、中畔、大垣内の大中小トリオが屯していたり、主人公4人組もよく屯して中畔に絡まれたりもします。
関東の海といえば湘南な私ですが、湘南と比べると砂が白く、粒子も細かくとても良いところだなぁ。
あと磯臭くない。砂浜まで来るとさすがに匂いがしますが、ちょっと離れれば匂いません。
駅ビル - Tio舞子
これも1日目の夜にマンガを読み返すまでどこのことなのか分かっていませんでした。
3つ目の画像、水木の上部を見ると案内図にわずかに「高速バス」と書いてあるのが読み取れました。そう、高速バス乗り場が駅ビル近辺にあるのです。ということはこれはもうTio舞子だろうと思い行ってみました。
しかし案内図の形も自動ドアの形も微妙に違うのでなんでだろう?と思っていたところこれは2階であることが判明しました。
つまり水木は2階から入ってきたのです。どういうルート…?って思ったらどうやらこの2階にタクシー乗り場があり、そこから神戸市道舞子駅高広線という道路に抜ける道があったようです。(そっち方面に歩いている人がいたのを見ただけで実際に歩いて確認したわけではないですが。)
水木たちの学校はおそらく橋やこの市道の東側にあると推測しているので割と納得感のあるルートだったかもしれません。
が、水木の家の近くにダイエーとか他のスーパーがあるはず(後述)…なのでなんでわざわざ南下して駅まで来てるんだ?という疑問はあります。
右佐が降りた?通りがかった?駅 - 舞子公園駅
作中で右佐がもやもやを抱えたまま歩いている象徴的なシーンです。
舞子駅がJRなのに対し、こちらは山陽電鉄の駅である舞子公園駅となっています。
舞子駅からTio舞子を突っ切って行った先にある駅です。なのでこの後ろを振り返ればTio舞子です。
数字トリオが街ブラした場所 - 苔谷公園近辺
この一連の流れに気づいたとき、正直鳥肌が立ちました。公園の北側から来て、北側の入口で合流、公園内を南下していくという経路を辿っています。本当に彼女たちはここにいたんだ、と思ったとても印象深いシーンでした。特に合流したところ、何気なく顔を上げたら道路標識が目に入りもしかして!エッモ〜〜〜!となったのです。
さらに。
その後、三人は市道を南下していくのも分かります。
2枚目の道路沿いの光景ですが、街灯の位置がずいぶん下にあるのでだいぶ高いところからの画だぞ?と推測していたところ、公園と公園を繋ぐ橋があることに気づき橋の上から写真を撮ることで視線を高めにするってのに気づいたときはナイス自分って思いましたね。
苔谷公園は台地の上にあり、眺めもそこそこ良くて気持ちの良い公園でした。神戸淡路鳴門自動車道、つまり明石海峡大橋に通じる道路がなければもっと見晴らしは良さそうでしたが…笑
神社 - 舞子若宮神社
神社のモデルになったのは舞子若宮神社でした。しめ縄の感じとかが一致しています。
ただし、あくまでもモデル。作中ではずいぶん広く、空もひらけた感じで高いところにありそうに見えましたが実際は…
だいぶ低い位置にありました。段数はなんと5段。また高校生が数人屯するなんてないだろ、というくらいこじんまりしていますし、周りも木々に覆われていてだいぶ暗い雰囲気です。(夕方だったというのもあると思いますが。)
マンガの方では鳥居?の右上らへんからの画角でしたが、ご覧の通り木が生い茂っていて再現はできませんでした。無念。
よく出てくる公園 - 歌敷山公園
五十嵐、百瀬、一万田の数字トリオがサンタクロースはいるいないという議論をしている公園です。
この話を始めとしてよく利用されていて頻出の公園です。
モデルの公園を探すのにはかなり時間がかかりました。というか現地に行ってようやくこの歌敷山公園がモデルであったことに気づきました。
というのも、下の方のマンガに写ってる背後の柵?網?がノイズとなっていました。
これは歌敷山公園にはほぼ存在していないのです。
GoogleMapによる事前調査では、舞子台緑地というところに柵で囲われた広場のようなものがあり、そこがモデルだと睨んでいました。しかしそちらも実際に行ってみて作中に出てくる遊具とかが見当たらなかったので外した〜としょんぼりしていました。
初日にダメ元で行った歌敷山公園で雑に撮影を済ませ、ホテルに着いてからマンガを読み直していたところ「あれ!?歌敷山公園の遊具と砂場の形がマンガと同じじゃね!?」と気づいて翌日改めて公園に行って撮影をした次第です。
遊具とこの1/4円形の特徴的な形の砂場が決定打となったのでした。
また132ページ7コマ目では「この公園 ファミレスの近道だから生徒の人通り 少なくないのよね」と五十嵐が述べていますが、歌敷山公園は袋小路の作りになっており通り抜けはできません。
そこらへんはあくまでも公園の作りをモデルにしてるだけで再現しているわけではないのだなぁと思いました。
入口の方から撮影するとこんな感じでした。初日に雑に撮影した写真です。
柵もボールなどが裏にある駐車場方面に行かないようにするためのものであり、ごく一部しか囲われていないことがわかります。
右佐のマンション - パラッシオ舞子
海岸沿いのマンションなんて本当にあるのかな、と思いながら歩いてたらまんまそれがありました。
特徴的な壁面が一致しています。モデルになったマンションには非常用?の螺旋階段がありますが作中にはありません。
また、この写真を撮影したすぐ後ろにはJRの線路があるためこれ以上引きの画での撮影はできませんでした。向かいのマンションからの画角に近いのではないかなと思います。
スパ銭 - スパ専 太平のゆ
作中でスパ銭、銭湯などと紹介されて4,5回ほど話題に出てきます。マンガでは入口の右側に橋が写っていますが、実際には屋根付きの駐輪場があるため橋は見えませんでした。
ただ、裏側は砂浜なので見晴らしが良く橋が見えます。
実際に入館して岩盤浴も堪能しました。岩盤浴エリアから外に出れて外気浴ができるのが最高でした。
ほぼ真っ暗で橋と淡路島の照明くらいしか明かりがないこともあってか星空もよく見え、そんな環境で汗だくの体を急速に冷やしくれる。サウナじゃなくて岩盤浴でこれができる銭湯ってなかなかないですね…。
あとカフェエリアではクラフトビールを4種類ほど取り扱い、海外の瓶ビールも豊富に扱っているのもポイント高かったです。
長湯してたらラストオーダーの時間過ぎていてクラフトビールを飲みそびれましたが…。
他にも露天スペースが広く、休憩用の椅子が20個近くあり、サウナーたちも大喜びの配慮っぷり。あと露天スペースに自販機も置いてありました。そんなのあり???
お会計はすべてバーコードキーでおこない退館時にまとめて精算です。Paypayでも払えるので手ぶらで行けちゃう。
でも靴のロッカーは100円返却式なので100円玉は最低限握りしめていきましょう。
100円を持っていない場合は受付で借りれます。退館時に機械で手続きしようとすると「受付に行ってください」って表示が出てちょっと焦ります。
えぇ、やらかしました。
それにしても、これが近所にある高校生生活とか最高ですね。そりゃあ遠出をしてでも通ってくるし「スパこき安定」「汽笛鳴る黒い海拝みながらの外風呂早く浴びてぇ」とか言うわな。
X作戦の路地 - 舞子坂の路地
こちらもかなりテンションが上がった場所ですね。
水木や百瀬たちの住んでいる場所に行きたくていろいろ調査・推測をしていたのですが
- 団地に住んでいる
- その団地は坂の上にある
- 舞子は坂が多いが、住所的には舞子駅の西側の「舞子台」「舞子坂」、東側の「歌敷山」「星陵台」「星が丘」「霞ケ丘」などに分かれる
- GoogleMapsの地形図によると舞子坂と星陵台が特に坂がキツそう
- 海に近いエリアとして考えると星が丘は遠すぎる
- 高校も坂の上にありそう(背景として低い位置に海が映る)
- 星陵台には星稜高校と神戸商業高校がある
- もしこれが高校のモデルだとしたら星陵台には住んでいないのでは、という仮説
- 星陵台には星稜高校と神戸商業高校がある
などの理由から舞子坂か舞子台近辺に家があるのではないかと思い、舞子駅を起点とし、舞子台から北上して舞子坂へ向かうというルートを立てました。
舞子台では聖地らしきものは見つけられず、塩屋舞子線という道路が谷状になっており一区切り。
じゃあ続いて舞子坂登ろうか、と気合を入れ直してすぐのところに見覚えのある景色が飛び込んできたのです。
その上、撮影してたら後ろから黒猫が歩いてきて「キングオンタイトマイノリティ!!!?」とビビリ散らかしました。場所的にも絶対違いそうだけどタイミングが絶妙すぎて、そういう意味でもテンション上がってました。
X作戦ではこのあと坂を登っていく水木たちを尾行するのですが、他の景色はありふれすぎていてどこを通っているのかわかりませんでした。
ただ一つ、公園を抜けた先の団地というワードだけを頼りにGoogleMapと向き合っていると1つの可能性にたどり着きます。
この写真の右側…
あの団地の可能性、あるなぁ…(たぶん正面とかそのちょっと右側の奥も団地だと思うけど、さすがに遠すぎる)
しかもGoogleMapで確認する限り、団地の直前に公園があるなぁ…
眺めもいいし、登りきったので坂を降りたくないという気持ちもあるけど…
せっかくだから行くかぁ…
ということでせっかく登った坂を降り舞子坂を後にして明石舞子団地、略して明舞(めいまい)団地の方へ向かいます。
着きました。
結論から言うと手応え、成果はありませんでした。
団地の手前にある公園の東谷公園はアップダウンがかなりあったのですが、原作の雰囲気を再現するような場所ではなかった、と思います。
また、団地も作中に出てくる形状のものはなかったです。
そもそも作中の団地は建物が若干「くの字」上の形をしており、建物の前にちょっとした広場があり大木が2つあるという特徴があります。
それに該当するような場所はGoogleMapや自分が歩いた範囲では見つけられず。
もしかしたら建物はどこか別の場所のものをモデルとしていて、住所的には舞子坂や舞子台らへんを想定、みたいな感じなのかもしれません。
それにしても坂、えぐかったです。そりゃ登山扱いされるわな。
百瀬とバーグマンのお出かけの地
百瀬とバーグマンの待ち合わせ場所 - JR三ノ宮駅
東京駅から新幹線で新神戸駅まで移動し、ちょっと旅の雰囲気を味わいたく元町駅まで歩いて移動しようと何気なく歩いていたら目に飛び込んできたのがJRの三ノ宮駅でした。
正直いきなり出会えると思っておらず、なんなら神戸駅なのかな?と予想していたのでビビりましたね。
右側に交番のような建物があり、JRのロゴが隠れてしまっていましたが、思いのほかマンガのような撮れ方をしていますね。
このとき思いがけず聖地に出会えたことでちょっと焦って撮影をしたことや人通りが多くて不審に思われるかな、と思ってあまりちゃんと画角などを考えずに撮影してしまいました。
まぁ今までの写真もカメラの腕前が微妙だったとと思いますが御愛嬌ということで。
広東料理屋 - 香港茶楼
続いて、カフェで茶をしばこうと移動している最中に急に中華料理が食べたくなったバーグマンが見つけたお店。
香港茶楼という店名ですが、メニューはれっきとした広東料理です。(広東の中?近くに香港があるようですね)
こちらから見てバーグマンの左奥にある黒い液体の上にある白い物体はエビ入り腸粉というものでした。もちもちつるつるのやつに黒酢ソースをかけたもの。一番手前にあるのはおそらくごま団子と何かでしょうか。ミニコースには該当しそうなものがありませんでした。
その手前にはシュウマイ、左には焼き飯があります。
飲茶ミニコースは2024年2月時点で1700円、百瀬たちはそれ以外にもミニコースにはないものですと肉まんのようなものと餃子のようなものが見えますし、それに加えお茶も注文しているあたり、高校生にしては結構豪勢なランチをしたんだなぁなどと無粋なことを考えたりしながら美味しくいただきました。
また、百瀬たちは窓際の席に座っていたのでそちらもお店の許可を得て撮影させていただきました。
四角ではなく円形の机でした。
ちなみに窓の向こうは阪急神戸高速線とJRが通っているため、電車の音が換気扇越しに響いてきました。
神戸ポートタワーが見える場所 - 神戸ハーバーランドの海沿い
ここは観光地ということもあり、心置きなく原作再現を意識して写真撮影をしました。
神戸ハーバーランド側から見た神戸ポートタワーなどです。画角的にやや上の方から俯瞰していたので、2階にあるびっくりドンキーの裏らへんで撮影をするといい感じになりました。
冷たいココアがあればちょうどよかったのですが、近辺の自販機を3台回ってみましたが2月ということもありさすがにありませんでした。というか、そもそもココア自体が見当たりませんでした。無念。
作中では三ノ宮で待ち合わせ、本屋や服屋に行き、神戸ハーバーランドに行き、広東料理に行くという経路をたどっています。
本屋や服屋の場所については分かっていませんが、三ノ宮→神戸ハーバーランドは徒歩34分、電車を使っても14分。
また神戸ハーバーランドから広東料理(香港茶楼)も徒歩25分、電車で14分という距離です。
歩きで移動してるとしたらだいぶ健脚だし、最初にハーバーランド行くなら神戸駅待ち合わせで良かったのでは…?などなどランチに続いて無粋なツッコミを考えながら巡礼していました。
また、本屋は看板の感じとアーケードの屋根のような絵があるためなんとなくサンキタ通りっぽいかなーと思っていましたが、本屋は見当たらず、服屋についてもエスカレーターで上ってたのでもしかしたら神戸ハーバーランドUmieとかだったりするのかなぁと思っています。時間の都合でUmieの中は通り過ぎただけでちゃんとは見れていません。
終わりに
こんな感じで一泊二日で5万歩ほど歩き倒し、腿から足先まで疲弊しきった2日間でした。しかし、どこも素敵な景色で…というか
こういう感じで高いところからの見晴らしの良い光景とか
こんな感じの、車が入ってこれないような狭い通りの住宅街の雰囲気が好きなだけです。(住人からしたら不審者みたいなもんかもしれませんが…)
そういう景色がたくさん見れたので足が痛くなってもそれでも歩きたくなる、そんな街でした。
心残りとしては5つ。
- モデルとなっているであろう団地を見つけられていないこと
- 大衆食堂びわたにのモデルとなっているであろうお店を見つけられていないこと
- 欲を言えば水木のバイト先のスーパーとかバイト先の人が行っている飲み屋、バーとかも見つけて行きたい
- 刀禰とバーグマンが雨宿りした公園が見つけられていないこと
- 舞子近辺の公園は片っ端から行ってるのでもしかしたら自分が気づいていないだけかも
- ガリ勉グループが入り浸っているファミレスに行けていないこと
- 海が冷たくて入れなかったので友達甲子園優勝ォォォォできなかったこと
- スマホぶん投げてキャッチ大会は形だけやりました
あくまでも今回できていないだけで、また情報が増えたら行きたいと思います!!!!!ので、もしこのブログを読んで1,2,3,4の情報を持ってる方がいたら教えて下さい!!!!!!!!!