オライリーの電子書籍を読むのに適した電子書籍リーダーを比較してみた

zomです。 プログラマ、エンジニアなら一度はお世話になってるであろうo'reilly(オライリー)というコンピュータ関連の出版社をご存知でしょうか。 動物やら魚やら虫やらを表紙に据えているアニマルシリーズと呼ばれる技術書があり、その動物+本が通称になったりするという話があります。 例えばJavaScriptは表紙がサイなので「サイ本(さいぼん)」、初めてのPerlは「ラマ本」などと呼ばれています。「サイ本からプログラムを始めました」とか言うとちょっとカジッてるっぽくてナメられないと思います。(超個人的な主観)

さて、そんなオライリーですが公式サイトにて電子書籍の販売もおこなっており、度々セールも開催されています。 今回「入門Sinatra」というRubyDSLであるSinatraの技術書が50%オフになっていて、かつこれは電子書籍でしか販売していないということなのでノリと勢いで購入しました。 フレームワークを使わずにSinatraでサイト構築とか一度やってみたかったのでちょうどいい機会です。

自分の場合、Amazon Kindleアプリ以外で電子書籍を読むのは初めてでepub形式のものを読んでみることにしました。 epubリーダーはオライリーのサイトではFirefoxを使っている場合はEPUBReaderというアドオンが、ChromeではReadiumというアプリケーションが例として上がってました。 PCの場合はとりあえずそれでいいとして、電子書籍といえばスマホタブレットなど、マルチデバイスで読めることが魅力でもあります。 じゃあスマホ、自分の場合Androidですが、Androidではどのアプリが一番使いやすいのでしょうか?

ということで掲題の件につながってくるわけです。

今回試したのは以下の5アプリです。

・Aldiko ・CopperReader ・Moon+Reader ・HimawariReader ・Universal Book Reader

オライリーで紹介されている3つと、ちょっと調べてみたところで割と良さ気と紹介されていた2つです。

それぞれ、だいたい同じようなページのスクリーンショットと動作感でレビューします。 動作確認端末はXperia A SO-04E、Androidバージョン4.2.2です。特にroot化などのカスタマイズはおこなってません。 またスクリーンショットに使用している本は入門Sinatraです。 他の電子書籍でも同様の見え方になる保証はありません。

まずはAldiko。動作確認時はバージョン3.0.4。 Androidアプリマーケットでepubで検索したら一番上に出てきましたし、オライリーでも一番最初に紹介されているのでオススメなのでしょう。 Aldikoの本棚画面 本棚画面はこちら。表紙の画像が使われておらず、表紙をめくった1ページ目が表示されています。 もしオライリー本をいっぱい持っていると分かりづらそうですね…。 (WHITE FANGという本はおそらくAldikoに付属している小説だと思われます。出版から100年以上経過しているのでサンプルの無料電子書籍になっているのだと思われます。)

Aldikoのタイトルページ 続いてタイトルページ。入門の「入」の字がλ(ラムダ)みたいなのがちょっとだけ気がかりですが、基本的にゴシック調で読みやすいですね。

Aldikoの罠アイコン オライリーでよく使われるアイコンも表示され、フォントの違いで文章に意味合いを与える手法もちゃんと表現できています。

Aldikoのhtml html部分でも分かるようにインデントもできてます。

Aldikoのサンプルコード サンプルコードも表示されていますし、リンクもちゃんと認識されています(当然?) やはりスマホだと縦長画面のせいで、コードがちょっと読みづらくなってしまいますが致し方ないですね。

見え方はこんな感じ。 使用感ですが、スワイプ、または画面の両端をタップすることでページ送りができるので割と直感的。 画面中央部をタップするとメニューが表示されます。

Aldikoのメニュー

メニューの左のアイコンをタップすると目次の表示や、ブックマーク一覧、指定したページに移動などのサブメニューが表示されます。 左から2番目のアイコンをタップすると黒地に白文字という、明るいところで読みやすいモードになります。 右から2番目のアイコンはフォントサイズの変更、マージン(余白)の変更、端末の向き、明るさに関する設定、詳細な設定へのリンクが出てきます。 フォントのアイコンなのに向きと明るさ、詳細な設定へのリンクって…、とちょっとだけ違和感がありました。 詳細設定では文字や背景色の白黒以外の設定やいくつかの選択肢からのフォントの選択、テキストの寄せ方、行間…など多彩なオプションがあります。 フォントに関してですが、デフォルトのもの以外は日本語に対応していないようなので、なにも表示されなくなってしまうので使えません。 他にもいくつか機能があるようですが、試していません。 あと、このアプリを起動しているときはスリープモードにならず画面がつきっぱなしになるようです。

概ね使いやすく、問題はないのですが、一部の文字が文字化けを起こしてしまうのが気になります。 上記のスクリーンショットの「K□In」と表示されているところがそうですね。ここは「Ö(oの上に点が2つ・・)」が表示される箇所でウムラウト文字。 確かに機種依存文字ではありますが…できれば表示されていてほしいところ。 機種依存文字以外にも、なぜか普通の日本語のところで文字化けを起こすことがあり気になってしまうのが難点。

Aldikoの文字化け Aldikoの文字化け

文字化けしまくり。この文字化けさえなければ完璧だと思うのですが…。 他のアプリではどうでしょう?

次に試したのがCopperReader。動作確認時のバージョンは0.3.14。 日本産のアプリですので文字化けとかはしないと期待を込めて見てみます。

CopperReaderの本棚 本棚画面がこちら。なんと表紙がなく本のタイトルとファイル名が表示されています。 本棚感がなくてちょっと残念なところ。またepubファイルも同様のUIで階層を探っていく形になります。 あと広告が表示されてるのも気になりますね。

CopperReaderのタイトル タイトルページ。特筆することもないですかね。

CopperReaderのサンプルコード サンプルコード。読みづらい!!コードはMSゴシックが最高に読みやすいと信じて疑わない私ですのでこれはちょっと読むのがきついです。

CopperReaderのレスポンス部 HTTPレスポンス部も他のアプリだと斜体で表記されますが、こちらはそのまま。でもゴシック系のフォントになっているのが救いか。う、うーん。

CopperReaderのHTML部 そしてHTML部。あれ、はみ出ている部分(CSSのところ)が折り返されずに表示されないままになってます。 大事なところじゃないから表示されなくても問題はないのですが、気になる…。

SCopperReaderのサンプルコード2 あ、こちらのサンプルコードだとコードの一部(Hash値の一部)が表示されていないので、やっぱりダメかも。

SCopperReaderの罠アイコン 罠アイコンでかっ!!

えー…。 CopperReaderは文字化けはしていませんが、なにかと気になるところが多く集中して読むのには適していない気がします。 使用感ですが、ページ送りはタップのみでスワイプには対応していません。 またページ送り(読み込み)に多少時間がかかるのが気になるところ。 メニューでは表示設定、目次、全内容という目次とどう使い分けるのか謎の機能がありました。 表示設定ではフォントサイズ、マージン、白黒反転、横書き縦書切り替え、段組なる設定がありました。

CopperReaderの設定画面

段組は2列で表示とか、そういうことができるのですが、電子書籍って基本的にそういうのに対応していないのでは…? ということでやってみたら案の定…

CopperReaderの2段組

まぁ、これは酷いところを切り取っただけですが、縦長横狭のスマホでこの機能は不要ではないかと思います。

機能はAldikoと比較すると少なめ(というか多分Aldikoが多彩すぎ?)で、非常にシンプルですが、いろいろと難ありな感じのアプリですね。 バージョンもまだ1に満たないので今後に期待というところでしょうか。

続いてMoon+Reader。バージョンは2.5.0。 アイコンやアプリ名だと天下一読などと表示されますが、どうやら中国の会社(個人?)のアプリらしく、中国での名称が天下一読なようです。

Moon+Readerの本棚 Moon+Readerの本棚画面。本の表紙と現在どこまで読んでいるかを割合で表示してくれています。 またこちらは不思議の国のアリスなど3冊がバンドルされてました。不動産のやつは個人的にダウンロードしたものでバンドルされてるものじゃないです。

Moon+Readerのタイトル タイトルページ。紙の質感をイメージしているのか、白地ではなくやや灰色がかった背景色。

Moon+ReaderのHTTPレスポンス HTTPレスポンス部。斜体表記はちゃんとなされていますがインデント(字下げ)がされていない。まさか。

Moon+ReaderのHTML HTML表記。やっぱりインデントが…。

Moon+Readerのサンプルコード ううううう、インデント…。 フォントも綺麗で比較的読みやすいだけにインデントがされてないのが悔やまれます。

Moon+Readerの罠アイコン オライリーの罠アイコン。なぜかセンタリングされてます。通常、ややインデントされて、右側にアイコンにかかるテキストが表示されるものですが…。

使用感に関してですが、画面両端タップでページ送り、スワイプには(デフォルトで)対応していません。 他のアプリと違って、上下のスワイプでウェブブラウザのように上から下にスクロールすることができます。 これはこれで使いやすい気がしますが、たまにページ送りのタップと誤反応して、どこを読んでいたのか分からなくなる事態になるのがデメリット。

Moon+Readerも画面中央をタップすることでメニューを表示できます。

Moon+Readerのメニュー

画面の縦横回転や、反転表示、オートページング、ブックマーク、目次、詳細設定が表示されます。 詳細設定はAldikoに負けじ劣らずの設定量。文字エンコードから フォント(数十種類あります)、字体の装飾、段落・行の間隔、文字サイズ、余白など。 またコントロールオプション画面ではキーバインド、というかアクションバインドが設定できます。

Moon+Readerのキーバインド

タップ時の挙動や物理ボタンの挙動まで変更できます。 これはカスタマイズ次第で使いやすさがすごい向上しそうです。 先ほどの誤反応などの問題も一気に解決か。 とは言え、インデントがされていないと読みやすさの面ではマイナス要素が大きいと個人的に思いますので、次のアプリを試してみます。

とりあえずこの3つだけ先に上げておきます。残りの2つは近いうちに追記更新しておきます。